第117章 息をのむ美しさ

初子たちは、工藤達央の医術が所詮は半端だと思い込んでいた。だが今、目の前で起きていることを見れば――自分たちが完全に見誤っていたのは明らかだった。

工藤達央は生半可な腕の持ち主などではない。並の名医が言葉を失い、口々に称賛するほどの腕前を持っている。そうでなければ、あれほどまでに騒ぎ立てるはずがない。

それでも初子たち三人は、骨まで蝕む毒など解けるはずがないと、なおも言い張っていた。だが胸の奥では、どうしても不安が芽を出す。

この世に「絶対」などない。例外は、いつだって起こり得る。

「……大丈夫よ」

初子は視線を引き戻し、花岡寿也へ低く囁いた。

「工藤のあいつ、どれだけ偉そうに振...

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